
自分の「好き」を堂々と語れる場所で、そうとさんは「教える難しさ」と「伝える喜び」の両方を経験しました。授業を作るのは大変だし、期限に追われるのもつらい。でも、好きだからこそ伝えられる情熱がある。来年もまた、神話の面白さを聞かせてくれることを期待しています。
そうと
高校2年生。生徒会に所属し、人前に出る機会が多い。神話が大好きで、「逆さまクラス」では2年連続で講師を務めた。総合型選抜を目指しており、来年度も参加を希望している。伝え方のコツは「ノリと勢い」。
「授業作るのきついっすね」神話好き高校生が講師デビューして気づいたこと
「パワポ作るのつりぃ!」
高校2年生のそうとさんは、自分が講師として大人に授業をする「さかさまクラス」に参加しました。好きな神話を伝えるために奮闘した結果、教える側の苦労を痛感することに。でも、そこで掴んだものは想像以上に大きかったんです。
生徒が先生、先生が生徒の「逆さまクラス」って?
焼津市の「みんなの公民館まる」と「焼津高校」で開催されている「さまさまクラス」。
このイベント、普段とは真逆で、高校生が地域の大人や学校の先生に、自分の好きなことを教えるっていう面白い企画なんです。
そうとさんは2年連続で参加しています。今年のテーマは「神話」。昨年も同じテーマだったけど、内容を大幅にアップデート。
今年は「恋愛」っていう切り口で神話の自由さを伝えました。
反応はどうだった?
「地域の人から『話面白かったよ』って言われたり、自分の仲いい友達からも『もう一回聞きたい!』って言われて。
だいぶなんか自分なりに、人前に出る自信がついたかな」
去年は先生たちから「神様好きなんだね」って感想が多かったけど、今年は地域の人からの反応が増えて、内容の質が上がったって実感できたらしいです。

「話面白かったよ」地域の人からの反応が嬉しかった
去年は先生たちから「神様好きなんだね」という感想が多かったけど、今年は様子が違いました。地域の大人たちが多く参加してくれて、「話面白かったよ」と声をかけてもらったんです。
仲の良い友達からは「もう一回聞きたい!」とまで言われて、そうとさんは手応えを感じました。
「だいぶ自分なりに、人前に出る自信がついた」
去年より確実に成長している実感がありました。
「パワポ作るのつりぃ!」授業作りの大変さを知った
実際に教える側に立ってみて、普段の先生の見え方は変わりましたか?と聞くと、即答でした。
「いやー、授業を作るのきついっすね」
自分がいいと思っても周りに伝わりにくい。授業でパワーポイントを作ってくれる先生がいるけど、実際にやってみると本当に大変。めんどくさくて後回しにしてしまって、期限に追われる日々でした。
特に感じたのは、自分と先生たちの違い。逆さまクラスは「自分の好き」を伝えるから、ゼロから百まで自由に作れます。でも先生たちは、決められたカリキュラムの中で工夫しないといけない。
「先生たちはもう二十ある中で、じゃあそれをどう発展させるか。そういうのはやっぱ難しい」
決められた枠の中で授業を作る先生たちの苦労を、身をもって理解しました。
「噛み砕いて、軽い口調で」工夫した伝え方
神話って難しいテーマです。どうやって大人にわかりやすく伝えたのか。
そうとさんが意識したのは「噛み砕く」こと。細かく説明するんじゃなくて、軽い口調で一発で伝わるように工夫しました。パワーポイントもテンプレートを作って、視覚的にわかりやすく。
去年は神話の「自由さ」だけをひたすら伝えていました。でも今年は「恋愛」という軸を設定。恋愛の三つの柱を作って、方向性を持たせた構成にしました。
「一つの出来事に絞る方が、より伝わりやすい」
去年は話がとっちらかってたと自覚していたから、今年はそこを改善。その結果、去年よりパワーポイントの出来も、話し方も、授業内容も全部アップしたと実感できました。

期限に追われて…乗り越えたのは「やる気」
準備期間中に一番大変だったのは、期限に追われること。学校の課題とも重なって、「あっ、やっべー忘れてた」ということも多かったそうです。
どうやって乗り越えたのか聞くと、「エナドリですかね」と冗談を言いつつ、本音を語ってくれました。
結局は、やる気を出すしかない。無理矢理にもやる気を出して作った。去年の反省を活かして、方向性を持たせた構成にしたことで、作りやすくもなったそうです。
「好き」だから伝えられる情熱
そうとさんは生徒会に所属していて、人前に出る機会が多いです。でも、ただ資料を読むのと、自分の好きなことを語るのは全然違いました。
「本心から言える好きなことは、やっぱ伝えやすいし、話しやすい」
前にミスしたこともあるけど、好きなことだから誰にも責められない気楽さがある。そして、好きだからこそ伝えられる情熱がある。それが自信につながったと言います。
伝え方のコツを聞くと、答えは意外なものでした。
「その場のノリ、もう。ノリと勢いだと思います」
発表した時も、好きという気持ちと、やる気と、ノリと場の空気で、もうガーっと話してきた。尻込みせずに話すのがいいと語ります。
来年は「神話と動物」をテーマに
来年も参加するか聞くと、「したい」と即答。でも、今2年生だから受験が心配です。
去年は受験生でも参加してた先輩がいました。おそらく総合型選抜やAO入試を利用したんじゃないかとそうとさんは推測します。自分も同じ道を目指しているから、余裕を作ることが大切だと考えています。
もし来年参加するなら、テーマは「動物」。少し考えてから、思い出したように話してくれました。
神話には動物の性質や生態が取り入れられている部分がたくさんあります。例えば、鶏が朝鳴くのも神話につながっている。カラスやワシなど、ギリシャ神話には象徴的な動物がたくさん登場します。
「神話のことならまだまだ話し足りない。もうどんどん話していきたい」
神話への情熱は尽きません。
受験と逆さまクラス、両方頑張りたい
最後に、来年への意気込みを聞きました。
「心に余裕があって、受験も総合選抜で余裕だぜって腕組める程度に暇だったら、全力で取り組んでいきたい」
受験と逆さまクラス、両方を全力でやりたい。そんなそうとさんの前向きな姿勢が印象的でした。




